様々なメリットからマウンテンバイクに普及しつつある油圧ブレーキですが、調整や交換が難しいといった声も聞こえてきます。
油圧ブレーキの調整や交換は難易度が高いメンテナンスなのでしょうか。
油圧ブレーキの良し悪し
賛否両論がありながらも普及を続ける油圧ブレーキ。
その1番のメリットはディスクブレーキの性能を最大限に活かすことができるということでしょう。
ワイヤーで引く機械式ではディスクブレーキの制動力を活かすには大きな力でレバーを握る必要がありますが、油圧式ならば小さな力でブレーキをコントロールできます。
もう1つのメリットとしては取り回しの良さです。
油圧ブレーキのホースは途中で潰れたりしなければ自由に曲げることができます。
機械式の場合は、曲げがきつくなると、ワイヤーの引きが重くなったりしますが、油圧ブレーキの場合はそういったことがないので、ホース交換時もやりやすくなります。
ただ、問題としてあげられるのがメンテナンス性です。
機械式の場合は大抵のトラブルがワイヤーのテンション調整で解決できますが、油圧の場合はフルード交換などで手間が掛かる場合があります。
これは単にユーザーの慣れの問題かもしれませんが、現場で油圧ブレーキの調整に対して不満の声があることは事実です。
フルードの交換とエア抜き
では実際に、油圧ブレーキのメンテナンスにはどのような作業があるのでしょう。
油圧ブレーキは年に一回、中の油、フルードを交換する必要があります。
フルードの交換自体は上から新しいフルードを入れて、下から古いものを抜くというだけの作業ですが、ブレーキオイルを溢れさせたりするのでマウンテンバイクのハンドル周りが油まみれになります。
また、油圧ブレーキは、ホース内に空気が入っていると正常に作動しないので、エア抜きをする必要があります。
手順通りにやれば、作業工程自体は複雑ではないのですが、慣れていないとマウンテンバイクや周囲をオイルで汚したり、エアがちゃんと抜けなかったりと手間のかかる作業ではあります。
ただし、年に1回程度の作業なので、ショップに任せてもよいでしょう。
パッドの調整
マウンテンバイクの油圧ブレーキは基本的には調整の必要はありません。
パッドが減ってきても、油圧ブレーキならばクリアランスが自動調整されるのでブレーキレバーの引き具合などは変わらないからです。
しかし、調整不要のはずの油圧ブレーキでもパッドが片方だけ当たってしまうといった片効きが起こることがあります。
そういった場合はパッドを付けなおしたり、交換するなどの調整が必要となります。
基本的にはメンテナンスの頻度は低いとされるマウンテンバイクの油圧ブレーキですが、ユーザーはトラブルなどに対応するためにもその特性を知っておく必要があります。