200年近く長い歴史のある自転車ですが、マウンテンバイクは実は40年弱の歴史しかありません。
マウンテンバイクはどこでどのようにして生まれたのでしょう。
マウンテンバイクの歴史についてみていきましょう。
マウンテンバイク誕生の秘密
マウンテンバイクの誕生は、1970年代後半にアメリカでクルーザーバイシクルと呼ばれるタイプの自転車に太いタイヤを装着し、山を下るタイムを競ったことがはじまりとされています。
この競技はヒッピーの間で広がり、ロードレース選手の目にもとまるようになります。
ただし、クルーザーバイクを改造しただけの自転車では強度や重量的に問題があり、ロードレース選手たちは山を下るための自転車を自作するようになりました。
これがマウンテンバイクの歴史のスタートとなりました。
その後、市販モデルが世界的な自転車メーカーから発売されることで広がりを見せ、日本では1980年代後半にアウトドアブームと共にマウンテンバイクも人気となりました。
マウンテンバイクの原点
ロードバイクをはじめ自転車の多くはヨーロッパが発祥となっていますが、マウンテンバイクはアメリカ発祥の自転車です。
マウンテンバイクの原点は上述のようにクルーザーバイクと呼ばれる自転車です。
自転車が誕生した初期のころは、アメリカではヨーロッパのようには普及しませんでした。
アメリカは国土が広大なため、都市間の移動に自転車は不向きだったのです。
一方で、オートバイは有効な移動手段として開発に重点が置かれました。
そんな中、近距離の移動や、オートバイに乗れない子供向けに、バイクのフレームを使った自転車がクルーザーバイクとして販売されるようになりました。
このようにクルーザーバイクはヨーロッパの自転車とは違った歴史を持っており、そこから派生したマウンテンバイクでもヨーロッパの自転車とは違った規格などが採用されたりすることとなりました。
マウンテンバイクの父
ヒッピーたちの間で自然発生的に誕生したマウンテンバイクですが、マウンテンバイクを広めた、マウンテンバイクの父と呼ばれる人がいます。
それがゲイリー・フィッシャーです。
ゲイリー・フィッシャーはアメリカ生まれのロードバイク選手でしたが、ヒッピーでもあり、長髪でのロードレースへの参加が問題なることもありました。
そんな中で、クルーザーバイクを改造したダウンヒルレースに参加するようになり、より性能が高い独自開発の自転車を「マウンテンバイク」として発売しました。
ゲイリー・フィッシャーはマウンテンバイクの名付けの親とされています。
さらに、大型ヘッドパーツの「フィシャー規格」や、大径ホイールの「29er」などマウンテンバイクに革新をもたらし続ける人物でもあります。